世の中物好きというのはいるものです。シャープペンシル全盛の時代に鉛筆を使ったり、Windowsがシェア9割を占めている時にわざわざシェア2%満たないほどのLinuxに移ったりしている人が。誰か。ええ私です。
そんな私が開発したつぐみ配列には「漢字直接入力」(俗に言う漢直)が搭載されています。
定義しましょう。ここでいう漢直とは、変換なしで漢字とかなを打ち分けることができることができる配列です。例えば漢字変換を利用した打ち分け(例えば、「かん1」で変換すると「漢」が出力され、「かん2」変換で「間」が出力されたりするようなもの)は今回話題にしません。あまりつかったことないので。
さて、その漢直ですが、その主な特徴に「日本語入力が楽になる」ということが挙げられます。
これどう言うことかというと、一般的にタイピングの速度を早めたりするのはカナ系配列(JIS仮名、月配列、親指シフトなど)が用いられますが、ああいうのはあくまで変換ありきで作られているのですよ。
ああいう配列は、かなしか入力できない。どうやっても今の漢字が多数存在している日本語文において、変換なしで入力することは不可能に等しいのです。
だからこそ、かな系の配列は変換にかかる時間も視野に入れて、その文を「かなのみで」書いた時に最速となるように設計されているのがほとんどです。言うなれば、キーボードからの入力が「話すこと」に近づく配列群と言いましょうか。
対して漢直、これは「文」を「書く」ことに特化した配列です。紙にペンで文章を書いていくのと同じように、画面にキーボードで「文」を「書く」ことができるのです。
例を上げましょう。以下の文を漢字かな交じり分で入力してみてください。
「記者が貴社に汽車で帰社した」
かなに直してみましょう。
「きしゃがきしゃにきしゃできしゃした」
このかな文字列を、1度で完全に変換しきれたでしょうか?私の環境では無理でした。
しかし、この文字列、紙にペンで書くときににいちいち、ひらがなで書いてそこを消して漢字に直していくでしょうか。しませんよね。漢直というのは文字の完全な打ち分けができますから、この紙にペンで書く感覚をいとも容易く再現できるのです。
もちろんデメリットもあります。打ち分けができるということはそれだけ覚えなくてはいけないということ。多いものだと約3000個でしょうか。
しかし、それを抜ければキーボードでストレスのない、純粋な「書く」感覚を手に入れることができるのです。漢直のメリットはそこです。打鍵数が減るとか、打ち分けができるというのは全てそのためなのです。
さて、漢字直接入力が使える配列は一体どのくらいあるのでしょう。以下に少し並べてみましょう。
- T-Code ……元祖(無連想式)漢直。効率に特化したストイックなプロ向けな配列。
- TUT-Code ……あまりにストイックなT-Codeをマイルドにして漢字数増やした配列。
- G-Code ……覚えやすいT-Code、打ちやすいTUT-Codeを目指して作られた配列。
- Phoenix ……打ちやすい、疲れない、覚えやすい漢直を目指して作られた配列。
- つぐみ配列 ……私が開発した、書くことに近づける配列。
一例を上げてみました。他にもくぐってみてください。いろいろありますよ。
この記事を読んだ方、ぜひ、1度調べて、使ってみてください。世界が広がるかもしれませんよ。